沖縄はなぜ長生きするのか
沖縄は世界五つのブルーゾーンの一つ。世界が求めているのは食事法ではなく、役割があり、質素に食べ、人と共にある老い方である。
世界が知りたい沖縄の言葉
「朝起きる理由」。沖縄では図式化された理論ではなく、畑の世話、孫の迎え、木曜のエイサー稽古のこと。人生に定年はない。
毎月集まり、各自が一定額を出し合う仲間の会。共同貯蓄として始まり、生涯続く支え合いの絆となった。病んでも、連れ合いを失っても一人ではない。
回り持ちの助け合い。サトウキビの作業を村で順番に行うことに由来する。島の共同意識の根であり、移民が世界へ持って行ったもの。
「なんとかなる」。完全な言い方は「まくとぅそーけー なんくるないさ」— 正しいことをしていれば、自然と良くなる。怠けではなく、努力の後の信頼である。
満腹の八割で箸を置く。長寿世代の摂取カロリーは本土平均より約11%低かったとされる。
「食は薬」。ぬちぐすい(命の薬)。沖縄料理は日々の薬として組み立てられている。
伝統的な食
1950年代まで、カロリーの約6割が芋(紅芋)。米ではなかった。低GIでアントシアニンが豊富。
- ゴーヤー:レモンより多いビタミンC、加熱に強い
- フーチバー、ハンダマ、ンジャナ、島らっきょう、ナーベーラー
- 海ぶどう・もずく:フコイダンを含む沖縄の海藻
島豆腐は本土の豆腐より濃く高タンパク。豚は「鳴き声以外すべて食べる」— てびち、ミミガー、ラフテー。長時間煮ることで脂は落ちる。
さんぴん茶(ジャスミン)が日常の茶。ウコンは王朝の薬。月桃はムーチーの香り。
今の数字と、正直な教訓
沖縄の女性は2010年まで長年日本一だった。男性は中位に落ちた。研究者は、1950年以降生まれの世代が基地由来のファストフード、車社会、地域のつながりの希薄化の中で育ったことを指摘する。
沖縄の長寿はスーパーフードではなく、生き方だった。少なく植物中心に食べ、一日中体を動かし、90歳でも役割があり、決して孤独ではない。どこでも真似できるが、一世代で失われもする。
数え97歳で「童に還る」。風車(カジマヤー)を持ち、オープンカーで集落を回り、地域全体で祝う。老いをこのように祝う土地は他にない。
