沖縄の音楽と舞踊
沖縄に三線と太鼓とカチャーシーのない祝いはない。首里の宮廷から字のエイサーまで、音楽は島の記憶そのものである。
三線(サンシン)
楽器のつくり
ユシギ(黒木)の胴に蛇皮を張り、三本の弦を水牛角の爪(バチ)で弾く。
- 14〜15世紀に中国の三弦が伝来し、首里の宮廷楽器となった
- 戦後は空き缶で作った「カンカラ三線」が生まれた
調弦(チンダミ)
- 本調子 — 基本の調弦(ド・ファ・ド)
- 二揚 — 中弦を上げる。哀愁のある恋歌に用いる
- 三下げ — 女弦を下げる。特定の舞踊曲に用いる
工工四(クンクンシー)
18世紀に屋嘉比朝寄が考案。音名ではなく、勘所(指の位置)を漢字で示し、右から左へ縦に読む。
エイサー
エイサーとは
旧盆に祖先の霊を送るために踊る太鼓の踊り。各字(あざ)の青年会がそれぞれの型を持つ。
隊列の役割
- 大太鼓 — 全体の拍を刻む
- 締太鼓・パーランクー — 中太鼓と小さな手持ち太鼓
- チョンダラー — 白塗りの道化。列を導き観客を笑わせる
- 地方(じかた) — 三線と唄、女性の手踊り
地域による違い
- 中部(沖縄市・うるま市):力強い型。コザの全島エイサーまつり
- 南部(首里・那覇):抑制の効いた古典的な所作
- 宮古のクイチャー、八重山のアンガマ — エイサーとは別系統の芸能
琉球舞踊
古典舞踊 — 宮廷の踊り
中国からの冊封使をもてなすために生まれた。極めて緩やかな動き、伏し目、紅型の衣装。「かしかき」「四つ竹」「諸屯」など。
雑踊 — 庶民の踊り
1879年以降、宮廷を離れた芸人が庶民のために創作。軽快で明るく、日常着で踊る。「浜千鳥」「谷茶前」など。
組踊 — 歌舞劇
1719年、玉城朝薫が創始。2010年ユネスコ無形文化遺産。浦添の国立劇場おきなわで定期公演。
カチャーシー
祝いの最後に踊る即興の踊り。手を頭上で回し、男は握り、女は開く。習うものではなく、皆が知っている。
ウチナーンチュなら知っている唄
安里屋ユンタ
18世紀、八重山・竹富島の労働歌。琉球で最も知られた唄。
てぃんsagぬ花(てぃんさぐぬ花)
「てぃんさぐぬ花や爪先に染めて、親の教えや肝に染めれ」— 沖縄の心の歌。
花(喜納昌吉)
1980年。世界各国でカバーされた平和の歌。
島唄・涙そうそう
沖縄の音を本土と中南米へ広めた現代の名曲。「島唄」はアルゼンチンでもヒットした。
